「顧問案件に興味はあるけれど、自分がどれくらいの単価を請求していいか分からない」「週1〜2日の副業顧問として動いているが、もっと単価を上げられる気がする」——そんな悩みを持つマーケターは少なくないはずです。
マーケティング顧問のフリーランス市場は、相場の幅が月15〜80万円と非常に広く、同じスキルセットでも交渉力とポジショニング次第で単価が2倍以上変わることがあります。「相場が不透明」だからこそ、正確な知識を持っている人が圧倒的に有利な領域です。
この記事でわかること:
- マーケティング顧問フリーランスの相場と、稼働形態別・企業ステージ別の単価差
- 月50万円以上の高単価顧問案件に共通する3つの条件
- 案件を継続的に獲得するためのポジショニング戦略
マーケティング顧問フリーランスの相場実態
マーケティング顧問の単価は、稼働日数・企業規模・期待される役割によって大きく異なります。まずは全体感を把握するために、稼働形態別の相場を整理します。
| 稼働形態 | 月額相場 | 想定稼働時間 | 時間単価換算 |
|---|---|---|---|
| 週1日(月4日)顧問 | 15〜30万円 | 月30〜40時間 | 4,000〜8,000円 |
| 週2日(月8日)顧問 | 25〜50万円 | 月55〜70時間 | 4,000〜8,000円 |
| 週3日(プロジェクト型) | 40〜80万円 | 月80〜100時間 | 5,000〜9,000円 |
| 常駐型CMO代行 | 80〜200万円 | フルタイム相当 | 6,000〜12,000円以上 |
月次顧問(週1〜2日)の相場中央値は月20〜35万円程度とされています。ただし、戦略立案・組織構築まで担えるポジションになると、同じ稼働日数でも単価が1.5〜2倍に跳ね上がるケースもあります。
副業として週1日の顧問案件から始めるフリーランスも増えていますが、「週1日 × 月20万円」で時給換算すると5,000〜6,000円程度。案件の選び方とポジショニング次第で月30万円(時給8,000円超)に引き上げることは十分狙えます。一方で、「とにかく顧問案件が欲しい」という姿勢だと、相場以下の条件でも受けてしまいがち。相場感を正確に持つことが最初のステップです。
発注企業のタイプ別——求められる役割と単価の違い
マーケティング顧問案件の発注企業は大きく3つのタイプに分かれ、それぞれ求める役割と単価水準が異なります。
スタートアップ(シード〜シリーズB)
最もニーズが旺盛なのがスタートアップです。社内にマーケ人材がおらず、「まずは週1〜2日で戦略の方向性だけ作ってほしい」という発注が多い傾向があります。
- 相場:月20〜50万円(週1〜2日)
- 求められること: グロース設計、PMFフェーズのマーケ戦略、採用支援(マーケ人材面接の同席など)
- 特徴: 要求範囲は広いですが、フリーランス側の提案が通りやすく、実績になりやすいのが強み
シリーズAを超えたスタートアップになると予算も増え、「週2〜3日 × 月40〜60万円」という案件も出てきます。事業フェーズが進むほど「戦略→実行監督→組織構築」と役割の上流度が増し、単価も上がっていく傾向があります。
中小・地方企業
ECや実店舗を持つ中小企業が「マーケ責任者不在のため外部顧問が欲しい」という形で発注するケースです。
- 相場:月15〜30万円(月1〜2回の打合せ+随時相談)
- 求められること: 広告運用の監修、SNS戦略の方向性決め、デジタル化の推進
- 特徴: 単価は控えめですが、長期継続しやすく、複数社掛け持ちで収入を安定させやすい
月15〜20万円の案件を2〜3社持つことで「月40〜60万円の安定収入」にする、という戦略をとるフリーランスも多いです。
上場企業・大手(新規事業・DX推進部門)
新規事業立ち上げや新部門のマーケ強化を目的とした顧問案件です。決裁スピードは遅いですが、単価は高め。
- 相場:月40〜80万円(週2〜3日、プロジェクト型)
- 求められること: 戦略立案、社内人材育成、ベンダーの選定・監修
- 特徴: 採用プロセスが厳格で、数値実績の豊富なポートフォリオが決め手になりやすい
月50万円以上を狙うための3つの条件
顧問案件の高単価帯(月50万円以上)に到達するには、スキルだけでなく「見せ方」と「ポジション設計」が重要です。
条件1:「実行支援型」ではなく「判断型」のポジションを取る
月50万円以下と以上の顧問を分ける最大の違いは、「実行を手伝うか、経営判断に絡む戦略を担うか」 です。
- 低単価(月15〜30万円):広告の方向性アドバイス、ツールの使い方指導
- 高単価(月50万円以上):KPI設計、マーケ予算の配分提案、チームの採用・育成の方向性決め
「それを聞かないと経営判断できない」と思われるポジションを取れているかどうかが、単価の分岐点です。
条件2:「業種特化 × 実績の数値化」ができている
汎用的な「マーケコンサル」より、「SaaS企業のグロースを専門とするマーケ顧問」 のほうが高単価になりやすい傾向があります。競合と差別化しやすく、クライアントが「この人しかいない」と感じやすいからです。
実績の見せ方も重要です。「マーケ支援をしました」ではなく、「半年で月次MRRを300万→800万円に伸ばしました」という数値での表現が、交渉力を大きく高めます。
条件3:複数案件の実績で「顧問慣れ」を示せる
初めての顧問案件は単価を抑えめにしてでも実績を作り、2件目以降で単価を引き上げるのが現実的な戦略です。
| 状況 | 推奨単価目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 顧問案件が初めて | 月15〜25万円(週1日) | 実績・事例づくり |
| 1〜2件の実績あり | 月25〜40万円 | 数値実績を根拠に値上げ |
| 複数社で継続実績あり | 月40万円以上 | 稼働待ちの状態を作る |
「すでに他社の顧問もしています」という事実だけで、交渉の場での立場が変わります。
単価交渉で失敗しないための考え方
顧問案件は、案件探しより交渉でのロスが大きいケースが多いです。よくある失敗パターンと対策を整理します。
よくある失敗パターン
① 「時給ベース」で考えてしまう
「月8日稼働で月20万円なら時給2,500円…安すぎる」という後悔が出やすいのは、時給ベースで考えているからです。顧問料は「稼働時間の対価」ではなく**「専門知識と判断の価値」** で決まります。月1回のMTGでも、「その判断ができるのはこの人だけ」という状態なら月30万円でも妥当。時給思考から抜け出すことが重要です。
② 実績を「言い訳」に使ってしまう
「自分の実績ではこれくらいしか…」と低く見積もるのは逆効果です。クライアントが求めるのは「過去の実績」ではなく**「これから生み出す価値」**。「御社のこのフェーズであれば〇〇ができます」という形の提案が、単価交渉では効きます。
単価提示の正しい順番
- クライアントの課題と目標を聞く
- 自分が担える範囲と成果イメージを提示する
- 「それを月○日の稼働で実現するとすれば」という形で単価を提示する
この順序を守るだけで、「とりあえず安く出してみる」という悪循環から抜け出せます。最初に提示した金額が、その後の交渉の天井になるという意識が大切です。
案件を継続的に獲得するためのポジショニング戦略
単発の顧問案件ではなく、継続的に相談が来る状態を作る ことがフリーランスとして安定する核心です。
ポジショニングの3軸
| 軸 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 業種特化 | どの業界に強いか | SaaS、EC、美容・コスメ、BtoB製造業 |
| フェーズ特化 | どの成長段階に強いか | PMF、グロース期、IPO準備 |
| 機能特化 | どの領域を担えるか | 広告×SEO統合、組織構築、データ分析 |
この3軸のうち2つ以上を明確に打ち出せているマーケターは、案件が途切れにくいとされています。「なんでもできます」より「この状況ならこの人」というポジションのほうが、継続的な紹介につながります。
発信・ネットワークの活用
顧問案件は一般的なクラウドソーシングに出回らない案件が多く、エージェント経由か紹介ベース での流通がほとんどです。そのため、以下の手段を組み合わせることが効果的とされています。
- SNS(X・LinkedIn)での発信: 担当業種や専門領域を継続発信することで、「この人に頼もう」という認知が生まれやすい
- マーケ系コミュニティへの参加: スタートアップの採用担当や事業責任者との接点が生まれやすい
- マーケ特化エージェントの活用: 相場に見合った案件を効率よく見つけられる
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まとめ・次のアクション
マーケティング顧問フリーランスとして高単価を継続的に獲得するための要点を3点でまとめます。
1. 相場の幅を把握したうえで、稼働形態を設計する 顧問案件の相場は月15〜80万円と幅広く、稼働日数×企業ステージ×自分のポジション次第で大きく変わります。「自分はどの軸で勝負するか」を明確にすることが、交渉力の土台になります。
2. 「実行支援型」から「経営判断型」へシフトする 単価を上げるには、クライアントの意思決定に直結するポジションを取ることが必要です。実績を数値で語れる状態を作りながら、少しずつ上流へシフトしていきましょう。
3. 継続獲得は「ポジショニングの明確さ」が重要 業種・フェーズ・機能の3軸のうち2つ以上を明確にすることで、紹介案件が自然と集まりやすくなります。まずは「自分を紹介するとしたら、どう説明してほしいか」を言語化することから始めてみてください。
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